Claude Code「Remote Control」発表 — スマホからターミナルを遠隔操作する新機能を徹底解説
2026年2月25日、AnthropicはClaude Codeに「Remote Control」機能を追加しました。 PCのターミナルで動いている開発セッションを、スマートフォン・タブレット・別のPCのブラウザから遠隔で操作できる新機能です。
1. Remote Controlとは
Remote Controlは、ローカルマシンで実行中のClaude Codeセッションを別のデバイスから操作できる機能です。
一言で言うと
PCで実行中のClaude Codeを、スマホのClaudeアプリから操作できる
重要なのは、コードやファイルがクラウドにアップロードされるわけではないという点です。あくまでPCのローカル環境で実行され続け、スマホは「リモートのウィンドウ」として機能します。
┌─────────────────────┐ ┌──────────────────┐
│ あなたのPC(ローカル)│ │ スマホ / タブレット │
│ │ │ │
│ Claude Code実行中 │◄──────►│ Claudeアプリ │
│ ・ファイルシステム │ TLS │ (操作画面) │
│ ・MCPサーバー │ 暗号化 │ │
│ ・環境変数 │ │ │
│ ・プロジェクト設定 │ │ │
└─────────────────────┘ └──────────────────┘
▲ ▲
│ Anthropic API │
└──────── ルーティング ─────────┘
(コード内容は送信されない)
2. 何ができるのか
ローカル環境がそのまま使える
- ファイルシステム: プロジェクトのコードにフルアクセス
- MCPサーバー: 設定済みのMCPサーバーがそのまま動作
- 環境変数: .envやAPIキーがそのまま利用可能
- プロジェクト設定: CLAUDE.mdや.claude/settings.jsonが有効
マルチデバイス同期
- ターミナル・ブラウザ・スマホアプリのどこからでもメッセージ送信可能
- 会話履歴はすべてのデバイス間でリアルタイム同期
自動再接続
- ラップトップがスリープ状態になっても、復帰時に自動で再接続
- ネットワークが切断されても、約10分以内に復旧すればセッション継続
3. セットアップ方法
前提条件
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| プラン | Pro または Max(APIキーは非対応) |
| 認証 | claude を実行し /login でclaude.aiにサインイン済み |
| 信頼設定 | プロジェクトディレクトリで1回以上 claude を実行済み |
方法1: 新規セッションを開始
# プロジェクトディレクトリで実行
cd ~/my-project
claude remote-control
ターミナルにセッションURLとQRコードが表示されます。
オプション:
--verbose: 詳細な接続ログを表示--sandbox/--no-sandbox: サンドボックスの有効/無効
方法2: 既存セッションから切り替え
# Claude Code セッション内で
/remote-control
省略形の /rc も使えます。
💡 Tip:
/remote-controlの前に/renameでセッション名を付けておくと、スマホ側で見つけやすくなります。
方法3: 全セッション自動有効化
# Claude Code内で
/config
→ "Enable Remote Control for all sessions" を true に設定
スマホからの接続方法
セッション開始後、3つの方法でスマホから接続できます:
- QRコードをスキャン — ターミナルに表示されるQRコードをスマホで読み取り
- URLを開く — 表示されるセッションURLをブラウザで開く
- Claudeアプリで選択 — claude.ai/code またはモバイルアプリのセッション一覧から選択(🖥️アイコン + 緑ドットが目印)
Claudeモバイルアプリは iOS / Android 対応。Claude Code内で /mobile コマンドを使うとアプリのダウンロードQRコードが表示されます。
4. セキュリティモデル
コードはクラウドに送信されない
Remote Controlの最も重要なセキュリティ特性は、コードやファイルの内容がAnthropicのサーバーに送信されないことです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 実行場所 | ローカルマシン上のみ |
| 通信 | Outbound HTTPS のみ(インバウンドポートは開かない) |
| 暗号化 | TLS(通常のClaude Code通信と同じ) |
| 認証情報 | 短命のクレデンシャル(用途ごとに個別、独立して失効) |
| ポーリング方式 | ローカルプロセスがAnthropic APIに定期問い合わせ |
セキュリティフロー:
1. ローカルClaude Code → Anthropic API に登録(outbound HTTPS)
2. スマホ → Anthropic API にメッセージ送信
3. Anthropic API → ローカルClaude Code にメッセージ転送(ポーリング)
4. ローカルClaude Code → ローカルで実行 → 結果を返す
※ ファイル内容・環境変数はAnthropicを経由しない
5. Remote Control vs Claude Code on the Web
AnthropicはClaude Codeを使う方法を2つ提供しています。違いを理解しておきましょう。
| 比較項目 | Remote Control | Claude Code on the Web |
|---|---|---|
| 実行場所 | ローカルマシン | Anthropicクラウド |
| ファイルアクセス | ローカルファイル | クラウド上のリポジトリ |
| MCPサーバー | ✅ ローカル設定がそのまま | ❌ 利用不可 |
| 環境変数 | ✅ ローカル .env | ❌ クラウド設定が必要 |
| ネットワーク依存 | ローカルPCがオンラインである必要あり | PC不要 |
| 並列実行 | 1セッション | 複数タスク並列可能 |
| ユースケース | 作業中の続き | 新規タスク・リポジトリ未クローン |
使い分けの指針
Remote Controlを使うとき:
✅ PCで作業中のプロジェクトを外出先から続けたい
✅ ローカルのMCPサーバーや環境変数が必要
✅ セキュリティ上、コードをクラウドに置きたくない
Claude Code on the Webを使うとき:
✅ ローカル環境なしで新しいタスクを始めたい
✅ クローンしていないリポジトリで作業したい
✅ 複数タスクを並列実行したい
6. 実用的な活用シーン
シーン1: 外出中のバグ修正
[オフィスのPC]
$ claude remote-control
→ QRコードをスマホでスキャン
[移動中のスマホ]
> "src/api/users.ts の getUserById で null チェックが抜けている。
> 修正してテストを実行して"
[PCが自動で実行]
✅ ファイルを修正
✅ テスト実行: 15/15 passed
シーン2: ミーティング中のデプロイ確認
[ミーティング中にスマホから]
> "staging環境へのデプロイ状況を確認して"
[PCが応答]
✅ デプロイ成功: v2.3.1
✅ ヘルスチェック: 全サービス正常
シーン3: 帰宅後にPCの長時間タスクを監視
[オフィスで開始]
$ claude remote-control
> "全テストスイートを実行して、失敗したものがあれば原因を分析して"
[自宅のタブレットから確認]
> "テストの進捗は?"
[PCが応答]
📊 進捗: 342/500 完了
❌ 3件失敗 — 原因分析中...
7. 制限事項
| 制限 | 詳細 |
|---|---|
| 同時接続 | 1 Claude Codeセッションにつき1リモート接続 |
| ターミナル必須 | ターミナルを閉じるとセッション終了 |
| ネットワークタイムアウト | PCがオンラインでもネットワーク切断が約10分続くとセッション終了 |
| プラン制限 | Team・Enterpriseプランは現時点で非対応 |
| APIキー非対応 | claude.aiアカウントでのログインが必須 |
8. 以前の記事との関連: マルチターミナル管理
以前の記事「Claude Code マルチターミナル管理ガイド」で取り上げた「複数のClaude Codeセッションを見失う問題」に対して、Remote Controlは新たな解決策を提供します。
| 課題 | 従来の解決策 | Remote Controlでの解決 |
|---|---|---|
| セッションの識別 | /rename でラベル付け | スマホアプリのセッション一覧で視覚的に確認 |
| 離席中の監視 | ターミナルに戻る必要あり | スマホからリアルタイム監視 |
| 長時間タスクの確認 | ターミナルを開いたまま放置 | 外出先から進捗を確認・追加指示 |
9. 今後の展望
対象プランの拡大
現在はPro・Maxプラン向けのResearch Previewですが、今後のアップデートで対象が広がる可能性があります。
AI Agent開発への影響
Remote Controlは「人間がAI Agentを監督する」パラダイムにおいて重要な一歩です。Agentが自律的にタスクを実行する中で、人間はスマホから進捗を確認し、必要に応じて介入できます。これは、先日公開されたAnthropic AI Fluency Indexが提唱する「反復的な対話」を、場所に縛られずに実践できることを意味します。
10. まとめ
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 何か | ローカルClaude Codeセッションをスマホ/ブラウザから遠隔操作 |
| 安全性 | コードはクラウドに送信されない。TLS暗号化、短命クレデンシャル |
| 始め方 | claude remote-control または /rc |
| 接続方法 | QRコード / URL / Claudeアプリのセッション一覧 |
| 対象 | Pro・Maxプラン(Research Preview) |
クイックスタート
# 1. プロジェクトディレクトリで開始
cd ~/my-project
claude remote-control
# 2. 表示されたQRコードをスマホでスキャン
# 3. Claudeアプリから操作開始!
参考リンク
- Claude Code Remote Control 公式ドキュメント
- ITmedia: Claude Codeにスマホから遠隔操作できる新機能
- GIGAZINE: Claude Code Remote Control 解説
- VentureBeat: Anthropic releases mobile version of Claude Code
- Claude.ai/code
- Claudeアプリ (iOS) / Android
本記事は2026年2月25日時点の情報に基づいています。Remote ControlはResearch Previewであり、機能や提供範囲は今後変更される可能性があります。